Dance in the dark

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23時の新宿駅。
駅までの道を大勢の人が歩きなんとなくの流れが出来ている。
私はあえてその逆を歩く。
自称メイクアップアーティストの人にしてもらった濃いめのメイク。娼婦みたいだなと思ったけど言わなかった。

誰でもいい、色づいた私を見て。
そして駅まで行こうとしているその足を止めて私の手を掴んで。
そうしてくれたら私が駅までの流れの中から彼を引っ張り出して、そして言うの。
「見つけてくれてありがとう」


自称メイクアップアーティストの人の声が頭の中でこだまする。
「このビジネスをすれば儲かるから」

厚意でメイクしてくれるんだ
東京に出てきて初めて友達が出来たんだ
そう思っていた過去の私が不憫で涙が流れる。

人の厚意なんて信じられない薄汚れた街なら、簡単に切ってしまえる希薄さでしか付き合えないなら、最初からそう言ってよ。

彼の手を掴んで夜の街を走る。
今夜は朝まで踊り続けたい。
その他
公開:19/07/12 01:41
更新:19/07/12 01:49

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