ヒゲミドリ先生

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とある小学校。日暮れの職員室で、先生が子供たちの書いた感想文に目を通していた。
それは「ヒゲミドリ先生」というお題で書かせたものだ。ヒゲミドリ先生とは、この先生のアダ名である。

「初めて会った時は気持ちが悪いと思った」
「緑色の髭が有り得ないと思った」
「なんとなくヌメヌメしてて臭いと思った」
「生理的に無理だと思った」
「見た目に反して意外と大人しいなと思った」
「特撮モノの怪人役が似合いそうだと思った」
「先生の事をよく見ているとカッコ良いじゃんと思った」
「キョロキョロした目が可愛いなと思った」
「体の色を変えられるなんて凄いと思った」

感想文を読み終えた先生は、溜め息をついた。
「みんな『と思った』『と思った』ばかりじゃないか。これは、もう一度やり直しだな」
先生は感想文を丸めると、舌を伸ばし、ペロリと食べた。
ヒゲミドリ先生は、AIが生み出したカメレオンとヤギのハーフなのだ。
SF
公開:19/07/11 23:59
更新:19/07/12 00:18
舌が伸びる感想文 スクー

壬生乃サル

まったり。

2022年…3本
2021年…12本
2020年…63本
2019年…219本
2018年…320本 (5/13~)

壬生乃サル(MiBU NO SARU)
Twitter(@saru_of_32)

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