お経代はアーモンド

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「奥さん。これアーモンドじゃなくて、カシューじゃないですか」

父さんの棺の前で住職はお布施を覗き込んで言った。

母さんは懇願した。
「これでお経をあげてもらえませんか?」

「これではなあ。旦那も浮かばれませんね。モグモグ」

「……くそ坊主」
僕は我慢できなかった。
「ん?」
「この!」
「ご霊前だよ。タチオ」
姉さんが僕を制した。
「く、くるみ姉さん」
「住職……どうぞ」
姉さんは傍らに持っていた巾着袋を住職に渡した。
「これは見事なアーモンド!」
「それはダミアン義兄さんの形見……」
「あの人も父さんのこと好きだったから……きっと喜ぶわ」

「お経を読みましょう!」
気を良くした住職はお経を読み始めた。

すると、父さんの殻が割れ、見たことない黄色い花が咲くと、地面につるを伸ばし始めた。大木にナッツの実ができると思っていたナッツ家の皆は愕然とした。

「父さんは……ピーナッツ!」
ファンタジー
公開:19/07/11 23:41
更新:19/07/13 19:12
スクー お経ダイヤモンド ピーナッツはナッツではない

イチフジ( 地球 )

マイペースに書いてきます。
感想いただけると嬉しいです。

とりあえず、100話と、お気に入りにはいる作品を作ることを目標にする

78 蟹座

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