猫の背中押し

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踏ん切りがつかない、そんな日が続いていた。
今日は彼女とデート。身支度を整え玄関に向かうと、飼い猫のミィちゃん(♀4才)が通せんぼしてきた。構ってオーラが出ている。
抱き上げると、僕の額に肉球を押し付けてきた。その瞬間、僕は異次元に飛んだ。

目の前には花畑。一面に広がるその花は、まるでピンク色の絨毯。
その花をよく見ると、花弁が肉球のようになっていた。そっと触れる。プニッとした弾力が気持ち良い。
プニプニ触り続けていると、指に痛みがはしった。引っ掻かれたらしい。肉球の花弁から爪が出ていた。
「美しい花には棘がある?」
ミィちゃんがツンとした顔をしている。さては妬いているね? 可愛いヤツめ。
でも僕はミィちゃんと同じくらい彼女も好きなんだ。もちろん短所も含めて。

ミィちゃんが僕の腕から飛び降りた。構ってオーラが消えている。女の心は猫の眼、か。よし、今日こそ彼女に……。
プロポーズしよう。
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公開:19/07/09 19:00

壬生乃サル

まったり。

2022年…3本
2021年…12本
2020年…63本
2019年…219本
2018年…320本 (5/13~)

壬生乃サル(MiBU NO SARU)
Twitter(@saru_of_32)

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