0
6

大蛙にまたがる閻魔は、顔をしかめ、天から人々を眺めていた。

「それにしても、奴らは何もかわっていないな。そうは思わないか。大蛙よ」

閻魔は、大蛙に返答をもとめた。

「閻魔様の言う通り。奴らは変化を求めず、ただのうのうと暮らしています」
大蛙は、跳びはねたい気持ちを抑えてこたえた。

「そうか。それなら、火炎のだるまでもよび、奴らの住まいを火事にでもさせるか。そうすれば、また、奴らは再建するだろう」

「閻魔さま。それは良い案ですね。人々は壊れてから直すのが好きですから。気がついた時に、最愛の者をなくし、また、蘇らせればいいと思っています。予防することに関しては無知の無知」

大蛙は、薄気味悪い笑みをうかべた。
その他
公開:19/07/08 22:40

神代博志( グスク )









 

コメントはありません

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容