プランツ・キャット ―観用猫―

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「わあああぁぁぁぁぁぁっつ・・・・・・!」
惑星Mからから出向してきたN氏は、私の愛猫・キジ丸を見て驚愕した。
 聞けば、彼の星では「猫」は地球でいう「パンダ」のような珍獣で、超々希少動物だという。自然界で出会うことはまず皆無、動物園でも予約は必須、しかも何十年も順番待ちという激レア生物らしい。
「たとえ観覧できても、わずか数十秒なんですよ・・・・・・」震えるN氏の目の前で、キジ丸は唐突に、愛らしくコロンと転がった。
「はうあぁぁぁぁぁぁっつ・・・・・・!」何とN氏は失神、その場に倒れ込んでしまった。
「にゃうう~ん♪」何も知らないキジ丸が、スリスリとN氏の体に己の匂いをつけ始める。
 僕はその姿を動画に収めた。無論、後でN氏に見せるためだ。彼はコレで幾度となく失神することだろう。すごいのだな、猫って。
 以来、私もキジ丸の全てが愛おしく、その存在の奇跡にむせび泣く日々を過ごしている。
ファンタジー
公開:19/07/08 21:47
更新:19/07/08 21:51
猫ショートショートコンテスト

二森ちる( 瞑想と妄想の森で )

二森(ふたもり)ちると申します。
人生の節目に、二つ目の名前をつくりました。童話や小説などはこの名で執筆しています。
怪談やホラー系は「鬼頭(きとう)ちる」名義で活動しています。
どうぞよろしく。

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