節句’sシンボル

「『節句’sシンボル』よ！」
ここは僕らの秘密基地。近くに小川が流れていた。一緒にいるのは、迷い込んできた白い子猫と、大好きな同級生の女の子のキョロ。僕は、ヒョロ。小学4年生。
その言葉を発したのは、キョロだった。子猫の名前は「モンロー」
名付け親はキョロ。何でも、マリリン・モンローの赤ちゃんの時の写真にソックリなのだと言う。僕にはそれが分からないが、理屈抜きに可愛い。
「マリリン・モンローって、お父さんたちの『セックスシンボル』だったわけよ」
「『セックスシンボル』って、何だよ？」
「ヒョロはウブだから、知らなくていい。まあ、私みたいな女の事。男から見て」
「・・・」
「モンローが、ここに迷い込んできたのが、5月5日の端午の節句。だから、モンローは二人の『節句’sシンボル』」

キョロが腰をくねらせ、それ見た子猫も真似して。つま先立てて、小川へ・・・。
モンローウォークして行く。