猫の目
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仕事を早く終えて帰宅すると、妻の姿がない。
「ミク…いないの?」
妻を探しながら寝室に入ると、なぜか三毛猫がベッドの上にいた。ウチは妻と二人暮らし。猫は飼っていない。辺りを見ると妻の服があちこちに散乱していた。
「…もしかしてお前、ミクか?」
冗談半分で言ったつもりだったが、猫はニャーと鳴き私にすり寄ってきた。…俄には信じ難いが、まさか本当にミク?その背中を撫でながら、私は昔を思い出していた。
独身の頃、気分屋の妻に私はいつも振り回されてばかりだった。でも、そんな天真爛漫な猫みたいなところが…好きだったんだよな。その姿をずっと見ていたくて、私は…。
猫を抱き上げ、思わず頬を寄せた。
「…アンタの猫、すっかり旦那に懐いてる」
「どうする?ずっとクローゼットに隠れているわけには」
「私にもわかんないわよ…泥棒猫の逃がし方なんて」
二人の声にも気づかず、私はただ、猫とじゃれ合う。
「ミク…いないの?」
妻を探しながら寝室に入ると、なぜか三毛猫がベッドの上にいた。ウチは妻と二人暮らし。猫は飼っていない。辺りを見ると妻の服があちこちに散乱していた。
「…もしかしてお前、ミクか?」
冗談半分で言ったつもりだったが、猫はニャーと鳴き私にすり寄ってきた。…俄には信じ難いが、まさか本当にミク?その背中を撫でながら、私は昔を思い出していた。
独身の頃、気分屋の妻に私はいつも振り回されてばかりだった。でも、そんな天真爛漫な猫みたいなところが…好きだったんだよな。その姿をずっと見ていたくて、私は…。
猫を抱き上げ、思わず頬を寄せた。
「…アンタの猫、すっかり旦那に懐いてる」
「どうする?ずっとクローゼットに隠れているわけには」
「私にもわかんないわよ…泥棒猫の逃がし方なんて」
二人の声にも気づかず、私はただ、猫とじゃれ合う。
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公開:19/07/09 11:45
30代後半になりTwitterを開設し、ふとしたきっかけで54字の物語を書き始め、このたびこちらにもお邪魔させて頂きました。
長い話は不得手です。400字で他愛もない小噺を時々書いていければなぁと思っております。よろしくお願いします。
Twitterのほうでは54字の物語を毎日アップしております。もろもろのくだらない呟きとともに…。
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