呪縛は解けたよ (テルピカ町は猫びより③)

2017年、読売ジャイアンツは6月8日に行われた西武戦において、球団史上過去最低となる13連敗を記録した。
これにはキャプテン・坂本も嘔吐くほどの事態であった。
そんな中、行われた翌日の日本ハム戦。先発・マイコラスが8回5安打1失点の快投。打っては2回に7番・石川の先制打、5回に2番・坂本の勝ち越し二塁打。1点差のまま9回を迎える。
最後のマウンドを託されたのは、ここまでセットアッパーとして8回を投げる事が多かったマシソン。ブルペンでマシソンは、前回登板時のオリックス戦で3失点を喫していた事もあり、極度の緊張感に襲われていた。
その時、フラリと一匹の猫が現れた。その猫がマシソンに飛びつく。

「呪縛は解けたよ、マシソンくん」

猫がそう囁いた。マシソンの顔に笑みが浮かぶ。
こうして、日本ハムの攻撃を3人でピシャリと抑えたマシソンは、その年の初セーブを記録し、チームの連敗を止めたのであった。