スキャット
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仕事帰りに同僚が、路地のジャズバーに誘ってくれた。
飲み物を味わっていると、猫たちが出てきて足元に並び、BGMに合わせて歌い始めた。
「♪ミャミャッミャミャッ!」
「♪ニャニャッニャニャッ!」
「♪アーオン、ミュァー、ニュォーーン!」
昼に職場近くの駐車場でまったりしている猫たちが、目を輝かせシャキッとしている。
「これはスキャット。特に意味のない言葉をつないで歌うんだ」
「楽しそう」
「だよね。スキャットのいいところは……」
彼ははにかみ、時に黙りながら話を続けた。
何度めかの沈黙の後。
「好きや」
「へ」
「何べんも言うてたけど」
俯く彼に言う。
「わ、私も好き……や……と」
顔を上げた彼の目が光った。
猫のスキャット、二人の間の空気、胸の鼓動、すべてが熱い音楽になりうねった。
曲が止むと猫たちは急に、床でごろんとなったり、毛づくろいを始めたりした。
素の猫(キャット)がそこにいた。
飲み物を味わっていると、猫たちが出てきて足元に並び、BGMに合わせて歌い始めた。
「♪ミャミャッミャミャッ!」
「♪ニャニャッニャニャッ!」
「♪アーオン、ミュァー、ニュォーーン!」
昼に職場近くの駐車場でまったりしている猫たちが、目を輝かせシャキッとしている。
「これはスキャット。特に意味のない言葉をつないで歌うんだ」
「楽しそう」
「だよね。スキャットのいいところは……」
彼ははにかみ、時に黙りながら話を続けた。
何度めかの沈黙の後。
「好きや」
「へ」
「何べんも言うてたけど」
俯く彼に言う。
「わ、私も好き……や……と」
顔を上げた彼の目が光った。
猫のスキャット、二人の間の空気、胸の鼓動、すべてが熱い音楽になりうねった。
曲が止むと猫たちは急に、床でごろんとなったり、毛づくろいを始めたりした。
素の猫(キャット)がそこにいた。
ファンタジー
公開:19/07/08 00:00
更新:19/07/08 00:10
更新:19/07/08 00:10
ショートショート初心者です。
作品をたくさん書けるようになりたいです。
「潮目が変わって」(プチコン 海:優秀作)
「七夕サプライズ」(七夕ショートショートコンテスト:入選)
「最高の福利厚生」(働きたい会社 ショートショートコンテスト:入選)
選出いただきました。
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