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雨に生まれ変わる前の、人間だった頃から私は雨が好きだった。
でも雨は皆の嫌われていることを思い出したの。だいたい晴れの日は天気が良くて、雨の日は天気が悪いって言うのが納得出来ないわ。
だから私は雨をイメージアップさせることにした。
雨が大切なのは皆わかってる。嫌われる原因は、ズバリ、空気を読まないから。運動会や遠足、プロポーズなんてのもあるわね。てるてる坊主のチェックは重要。雨が降って困る時は絶対に降らない。
そして降る時を選んで降る。飲み水の確保や植物に恵みを与えるのは私の仕事。ここは疎かに出来ないわ。それに泣いている人が涙を隠したい時だってあるわよね。素敵な傘や長靴を買った時も雨を降らせてあげたい。
そうやって皆に愛される雨を目指してる訳なんだけどさ。七夕の今日だけは、空気を読まないって決めてるの。
天の川を雨雲で隠してごめん。
誰だって、一年に一度のデートを邪魔されたくはないでしょ?
ファンタジー
公開:19/07/07 00:00
月の音色 雨の独り言

のりてるぴか( ちばけん )

月の音色リスナーです。
ようやく300作に到達しました。ここまで続けられたのは、田丸先生と、大原さやかさんと、ここで出会えた皆さんのおかげです。月の文学館は通算24回採用。これからも楽しいお話を作っていきます。皆さんよろしくお願いします。

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