博愛主義

私の彼は動物が大好きである。
多くの動物を飼う彼の部屋はちょっとした動物園状態だ。
彼の連絡手段に伝書鳩を使う。レース鳩経験者である私はこれを彼の挑戦状と受け取った。
外ではしっかりしている彼も家の中では猫のように甘えてくる。
実際、彼の猫も私に甘えてくる。何故なら胃袋をしっかりつかんでいるからだ。
将を射んとする者はまず馬を射よ。私は彼の周りから篭絡することにした。
そんな彼がある日、部屋に見知らぬ女を連れ込んでイチャついていた。
私が浮気を攻めると、彼は「愛猫家であり、愛犬家であり、愛人家でもある」と言い出した。とんだ博愛主義者だ。
まあ、オシドリだって実際は浮気しまくる鳥だ。それは認めよう。
ただ世の中にはセアカサラマンダーのように一夫一妻しか認めない生き物もいる。
私はかの生物にならい、彼に激しい攻撃を与えることにした。
博愛主義なんでしょ？私のこの燃えるような愛も受け止めてよ。