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深夜、部屋の窓ガラスを叩く音がした。
「ミツオ? 何こんな時間に」
私はベッド越しに体を伸ばして窓を開けた。ミツオは幼馴染で、お寺の次男坊のプー太郎だ。
「俺、やっと天啓を受けたよ!」
と、ミツオは窓からズカズカ入ってくると、「だから、ピアスをはずして服を脱いでくれ」と続けた。
「馬鹿なの?」と私が呆れると、ミツオは早口で説明を始めた。要約すると、『ピアスの穴を吹いて妙音を奏でると悟れる』というのだ。
「頼む。功徳だと思って…」
「あんたに耳朶を舐められて息を吹きかけれられるだなんて絶対無理だし。なんで服も脱ぐのよ?」
「本当は髪も剃って欲しいんだけど、まずはお試しで」
はぁ~ずいぶんこじらせたものだ…
「じゃ、お寺のお坊さん達に頼みなさい。それ次第では考えて、あ・げ・る」
ぜ、ぜったいだぞ! とミツオは走っていった。
それが今では、耳朶妙音求聞宗の僧正様だものねぇ。素敵。
「ミツオ? 何こんな時間に」
私はベッド越しに体を伸ばして窓を開けた。ミツオは幼馴染で、お寺の次男坊のプー太郎だ。
「俺、やっと天啓を受けたよ!」
と、ミツオは窓からズカズカ入ってくると、「だから、ピアスをはずして服を脱いでくれ」と続けた。
「馬鹿なの?」と私が呆れると、ミツオは早口で説明を始めた。要約すると、『ピアスの穴を吹いて妙音を奏でると悟れる』というのだ。
「頼む。功徳だと思って…」
「あんたに耳朶を舐められて息を吹きかけれられるだなんて絶対無理だし。なんで服も脱ぐのよ?」
「本当は髪も剃って欲しいんだけど、まずはお試しで」
はぁ~ずいぶんこじらせたものだ…
「じゃ、お寺のお坊さん達に頼みなさい。それ次第では考えて、あ・げ・る」
ぜ、ぜったいだぞ! とミツオは走っていった。
それが今では、耳朶妙音求聞宗の僧正様だものねぇ。素敵。
その他
公開:19/07/06 17:56
シリーズ「の男」
星新一さんのようにかっちりと書く素養に乏しく、
川端康成さんの「掌の小説」のように書ければと思うので、
ショートショートとはズレているのかもしれないです。
オチ、どんでん返し、胸のすく結末。はありません。
400文字、おつきあいいただければ幸いです。
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