サプライズ

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「さやか、お誕生日、おめでとう」
それは私が買い物から戻り、玄関の扉を開けた瞬間の事だった。
暗闇だった室内はいきなりパッと明るくなり、クラッカーの破裂音と共にそんな言葉が聞こえてきた。
「えっ、何っ、どういう事?」
私は突然の出来事に事態が呑み込めず、意味もなくあたふたした。
一方、目の前の人物は「どうだ、驚いたか」とでも言いたげにどや顔を私に向けている。
「なによ。ビックリするじゃないの。来るなら来るで先にメールか、電話で連絡してよ。こっちにも準備があるんだから」
私は目の前の男性、恋人の相馬に文句を言った。
「いや~、君の驚く顔が早く見たくてさ。ゴメン」
「もう、しょうがないわね」
「お詫びと言っては何だけど、これ、誕生日プレゼント」
「まあ、嬉しい。開けても良い」
「いいよ」
「・・・ねえ、ものは相談なんだけど。来年は一緒にデパートへ行って私の欲しい物を一つ買ってくれたら嬉しいな」
公開:19/07/06 16:35

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