絵画の黒猫

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居間に飾ってあった絵画の黒猫が、忽然と消えていた。黒い足跡が炬燵の中へと続いている。俺は恐る恐る炬燵の布団をめくった。
「にゃあ」
あの絵にいた黒猫だった。この不確かな現実に心が追いつかない。

魔法が解けたようだ。彼が驚くのも無理はない。魔女に猫にされ、絵に閉じ込められたのだ。

とりあえず食べもので誘き出そう。猫が好きそうなもの…スルメがあった。

何か食べものを差し出したぞ。ん!美味い!噛めば噛むほど旨味が追いかけてくる。

猫が飛び出してきた。スルメを催促している。
「ウチの子になるか?」

こんな美味いものにありつけるなら、猫も悪くないな。
「にゃあ!」

黒煙の中から、スルメを咥えた男が現れた。
ファンタジー
公開:19/07/05 12:37

豊丸晃生( 大阪 )

ショートショートの神様、星 新一を崇拝しています。
お笑い系のショートショートを中心に書いていきたいと思いますので、よろしくです(^^)。

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