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トゥルル…村の交番の電話が久しぶりに鳴った。
「もしもし…私やけど」
『あぁサキばーちゃん、元気かね?』
「元気やわー。やけど忘れ物を探しとって…」
『え?忘れ物?何処に?』
「昨日まで息子のおる東京に行っとったんやけど何処で無くしたんか…」
『そうなんか…。じゃあ俺が問い合わせしてみるけん無くした物の特徴を教えて』
「恥ずかしいけどいつも私が被っとるカツラなんよ。ピッタリのはずやのにいつの間にか落ちとって…」
『あーあの紫色の…。…わかった、探してみるけん待っとってな』
そこで一旦電話を切り、駅に電話をしようと受話器に手を置いたその時再び鳴った。
「もしもしこちらは葛飾区の××銭湯ですけど。忘れ物のカツラの内側にこちらの交番の電話番号が…」
『あぁ、探していたところです。ありがとうございます!』
「交番の鈴木さんLove♡って書かれてましてね。で、落ちてたのは男湯の脱衣所なんですけど…」
その他
公開:19/07/04 20:00
更新:19/07/05 14:20
スクー 時を忘れたパープル TOKIO

ことのは もも。( 日本 関東 )

日本語が好き♡
18歳の頃から時々文章を書いています。
短い物語が好きです。
どれかひとつでも誰かの心に届きます様に☆
感想はいつでもお待ちしています!
宜しくお願い致します。

こちらでは2018年5月から書き始めて、2020年11月の時点で300作になりました。
これからもゆっくりですが、コツコツと書いていきたいと思います(*^^*)

2019年 プチコン新生活優秀賞受賞
2020年 DJ MARUKOME読めるカレー大賞特別賞受賞
2021年 ベルモニー縁コンテスト 入選

 

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