愛猫の影を追って

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愛猫が死んでから、俺はおかしくなった。至る所に愛猫の影を見るようになった。
空に浮かぶ雲、天井のシミ、電柱の隅、道を走るゴミ、キリがない。
俺は相当女々しい男のようだ。愛猫は死んだ。分かっていても影を見つける度に追ってしまう。
今日も影を見つけては無意識に追っていた。
いつもならすぐに消え、俺に落胆と失望を与える影。
影は俺を路地裏へと誘い込んだ。ゴミを漁る烏が喧しい。
俺はあることに気付き、烏を追い払った。
烏はゴミを漁っていたんじゃない。子猫を襲っていたんだ!
俺は傷だらけの子猫を抱えるとすぐに動物病院に駆け込んだ。
「懐かしいねぇ…お前さんは10年前もこうやって子猫を連れてきた」
獣医の言葉に思い出す。
そう言えば、愛猫との出会いもそうだった。
もしかしたら愛猫の影は俺とコイツを引き合わせたかったのかもしれない。
あれから数年経った今でも愛猫の影は俺と今の愛猫の様子を見に時々現れる。
公開:19/07/04 19:02
更新:19/07/08 18:46

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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