蒸れる社会問題

肥満による蒸れは今や社会問題となった。肥満人口は増え続け、肥満による湿度の上昇は、温暖化に拍車をかけると気象庁は警告していた。さらに会社員らのスーツや作業着が蒸れ、あらゆるビジネスに影響が出ているようだ。政府は国を挙げて蒸れ対策に力を入れた。それは、体重に違反キップを切るというものだった。

そのパトカーは１台の車を止めた。
「はい止まりなさい！」
「なによ制限速度は守っていたわ」
肥満センサーが反応した。
「10キロオーバーのスピード肥満です。あなたは強制ダイエット適合者です」
この女のように、違反者は強制的にダイエットを強いられるのだ。

それに猛反対したのが、反政府団体の女性たちだった。人権を無視していると、女性たちは自由体系党を結成した。連日、政府に抗議した結果、なんとダイエット効果が発揮された。そのパワーがあるなら最初から痩せろ。総理は、そう顔に書いたように苦笑いしたのであった。