人猫姫

「さあ、選べ。上半身と下半身どちらを猫にする？」

私は考えた。

上半身が猫の場合、顔や手はもふもふのぷにゅぷにゅで可愛いが、窓際で座る時には正座になってしまい、なんか変だ。

下半身が猫の場合、丸くなって座っても上半身がコブラみたいに背筋ピンとなるのでどう考えても気持ちが悪い。

神様、選べません。

「じゃあ、こちらで勝手に決めさせてもらうよ」

嫌！窓際正座もコブラ女も嫌！
私は、私は！！


とある国の姫として生まれ変わった。

隣国の王子がなぜ姫は部屋から一歩も出てこないのか詰め寄るが、王は応じなかった。

しかし王子はこっそりと城に忍び込んだ。窓から覗くと姫の美しい横顔が見えた。王子はその美しい姫の姿に一目惚れした。

「姫、会いたかったぞ！私と結婚してくれ！」

姫はシャーッと威嚇し、王子の顔を引っ掻いた後、部屋の隅で丸くなった。

「外見は人、中身は猫にしといたから！」