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仕事の帰り道、闇夜に光る黄色い眼光と目が合った。


 その黄色い眼光は、のそのそと近づいて来たかと思うと、毛並みを逆立てながら「シャー」と威嚇してきた。


 その瞬間、俺はその不器用過ぎる表現に自分を重ね合わせていた。


 愛されたくて、近づいて……。


 でも……怖くて……遠ざけて……。


 気がつくと、俺は嫌がるそいつを抱きしめていた。


 そいつは、小刻みに震えながら俺の腕を掻きむしり抵抗するものの、その力は明らかに弱く、加減しているのがわかった。


 次第にそいつは、その抵抗さえも止め、腕の中で「グルグル」と喉を鳴らし始めた。


 その時、なんで、そうしたのかは、わからない……。


 でも、狭いアパートの一室で今日もそいつが俺の帰りを待っている。


 それ以上でも以下でもにゃい。
青春
公開:19/07/03 02:14
更新:19/07/03 02:18

恋するメンチカツ( 兵庫県 )

多くは語らぬ世の情け、見て感じ取り、考えよ!
次世代喜劇の執筆家、恋するメンチはカツの味!
恋メン劇場いざ、開演!!

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