昨日の思い出
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高校時代の思い出の詰まった黒板には、今流行りのアニメのキャラクターが真ん中に大きく描かれ、それを取り囲むように、生徒達の吹き出しにそれぞれの未来に向けてのコメントが綴られていた。
「こうしてさ。あらためて、私達の思い出を振り返ってみるとさ」
「あっけなくて、はかなかったね」
「またさ。こうやって、みんなで集まってさ。一緒にさ。馬鹿みたいにはしゃぎたいね」
「でも、私達はもう大人になるし、妙に、大人ぶるから」
「それは無理?」
「無理じゃないよ。隅田川の花火を見て、また、みんなでたまやーって叫ぼうよ」
栞はけらけらと笑い、美雪の肩を軽く叩いた。
「もう、会えないってことはないよね」
「会えないと思うのは会いたいと思わないだけ。私達の人生に分岐があっても、最後は一本の線に収束するの」
栞は窓の向こうの夕焼けを指指して、美雪に涙を見せないように、そっと手の甲で拭った。
「こうしてさ。あらためて、私達の思い出を振り返ってみるとさ」
「あっけなくて、はかなかったね」
「またさ。こうやって、みんなで集まってさ。一緒にさ。馬鹿みたいにはしゃぎたいね」
「でも、私達はもう大人になるし、妙に、大人ぶるから」
「それは無理?」
「無理じゃないよ。隅田川の花火を見て、また、みんなでたまやーって叫ぼうよ」
栞はけらけらと笑い、美雪の肩を軽く叩いた。
「もう、会えないってことはないよね」
「会えないと思うのは会いたいと思わないだけ。私達の人生に分岐があっても、最後は一本の線に収束するの」
栞は窓の向こうの夕焼けを指指して、美雪に涙を見せないように、そっと手の甲で拭った。
青春
公開:19/07/02 20:36
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