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残業終わりの深夜1時、音を立て無いようにゆっくりと玄関のドアを開ける。


 その時にふと、昔の事を思い出した。


「どうして、お父さんはプロ野球選手じゃなくてサラリーマンなの?」


「ごめんよ、かっこ悪いよな。でもな、母ちゃんは凄いキャッチャーなんだぞ」


「何それ、よくわかんない」


 当時、小学生だった頃、俺が交わした父親との何気ない会話……。


 含み笑いを堪えつつ、リビングの灯りをつける。


 今日もリビングの食卓には、ラップの貼られた3つの小鉢と焼き魚。ご飯の入ったお茶碗の下には「お疲れ様」と書かれたメモが添えられている。


 毎日、俺が全力投球で仕事に臨めるのも、女房役のおかげだな。


 父親の言葉の意味がやっと分かった。
青春
公開:19/07/04 12:36
更新:19/07/04 12:40

恋するメンチカツ( 兵庫県 )

多くは語らぬ世の情け、見て感じ取り、考えよ!
次世代喜劇の執筆家、恋するメンチはカツの味!
恋メン劇場いざ、開演!!

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