花火猫

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僕の爺ちゃんは花火猫師だ。

夏休み、その手伝いを頼まれ、電車を乗り継いで爺ちゃんの家へ着いた。
「ケン、すまんな。花火猫に引っかかれて火傷をしたんだ」
爺ちゃんの手に包帯が巻かれていた。
「僕にまかせて」

ゲージの中に、花火猫たちが丸くなって眠っていた。今夜は村の花火大会がある。僕は爺ちゃんの代わりに花火猫に火種をつける役だ。

夜。河川敷には、たくさんの観客が集まった。
「さあ、打ち上げようケン」
「うん」
僕は、花火ねずみたちに火をつけた。
花火ねずみが火の粉を散らしチュ〜〜ッと舞い上がる。すると、花火猫に火が灯った。花火猫たちは、花火ねずみを追いかけ、夜空へ駆け上がっていった。

ニャアァ〜〜〜ッ!

花火猫は夜空を駆け巡り、赤、黄、緑の閃光を放った。

ニャパパパパーーーン!

美しい大輪の花を夜空いっぱいに咲かせた。

観客席から『タマやー!』の掛け声と歓声がワッと上がった。
ファンタジー
公開:19/07/04 11:17
更新:19/07/04 11:46
花火

豊丸晃生( 大阪 )

ショートショートの神様、星 新一を崇拝しています。
お笑い系のショートショートを中心に書いていきたいと思いますので、よろしくです(^^)。

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