ワッショイふりかけ

祭りの時に、神輿を担ぐ者たちにふりかける粉、ワッショイふりかけ。
なぜか地元の人たちはこれをふりかけだと言う。
私は、世の中の素材を分析し、研究している科学者だ。
この粉を解明しようと奮闘している。
始めに分かったことはこの粉は小麦粉。
だが、ただの小麦粉ではない事が分かった。
ふりかけられたものは、力がみなぎって攻撃的になる。
例えばサッカーの選手が試合で使えば
疲れ知らずで挑めるという訳だ。
しかし、効き目は15分間だけ。それを過ぎると徐々に力を失い、たちまち息切れる。
憂鬱な気分に使うのも有効だった。
これをふりかけると、たちまち笑顔の元気君になる。
早速、私も使ってみる事にした。
「ボオッ」
夜が明けた。
家の前には野次馬と警察、消防車がある。
私は、この黒焦げの体で首をかしげた警察官をどう説得させるか考えていた。
元気になり過ぎた体は燃えるまでとは、私は知らなかった。