手帳

年度始まりに、手帳を更新する人は多いらしい。社会人なら必須と昔は言われた。ＩＴ全盛の時代にも、紙媒体が生存し続ける事にほっとしながら、書店のコーナーを通過する。
生憎、私は手帳を持たない。学生時代も就職してからも持った事がない。正確には持っているが、人様の想像する手帳とは違う。

私の手帳は左右２冊ある。つまり『手』帳だ。
水仕事に汚れ物、荷物抱えて走り回る職場で編み出した。指示は頭に刻み、要点を手に印す。人・時間は指の関節に油性ペン。例えば課長の仕事が正午までなら、右手中指の第２関節に黒線と、掌に内容。緊急重要度に応じて赤・黒・青。記憶力が鍛えられ、紛失の心配もない。風呂で落ちるから、繰り返し使えて経済的。両利きの私は、右が仕事、左は私用と分けている。

さて、今日の仕事は早上がり。
左手薬指の付け根に赤いハート。料理本で献立を選んだら、スーパーへ寄って、手製の花束を土産に、家へ帰ろう。