希望の男
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切り開いた岩山の上、月光に照らされる古城。雲間からの光がそこだけにさす。末路を絶たれた者達の希望の光にも見える。
「今日はお招きいただきありがとう」と男は言う。
窓辺から月明りが逆光し女の表情がわからない。
「僕は世界を魅了してきた。この手だけで、驚き、疑い、悲しみを生み出し人の心を掴んできた。そして最後にはすべてを手に入れた。しかしどれも僕の望むものなどなかった」
「マジシャン..でしょ」乾いた声で絞り出すかのように彼女は言った。
「昨夜あなたに初めて会い、こんな気持ちになる。不謹慎かもしれないがこれを」と何も無い右手を差し出す。左手を重ねると月光で艶やかに輝くダイヤの指輪を出した。
「ありがとう。この指に」差し出された手に指輪を入れ、彼女は男を抱き寄せた。
「あなたは人の心を操る。私は人の体を操るの」
彼女の甘い吐息。彼の耳元にあった唇は首筋に移り、彼は生温かさを感じ快楽を得た。
「今日はお招きいただきありがとう」と男は言う。
窓辺から月明りが逆光し女の表情がわからない。
「僕は世界を魅了してきた。この手だけで、驚き、疑い、悲しみを生み出し人の心を掴んできた。そして最後にはすべてを手に入れた。しかしどれも僕の望むものなどなかった」
「マジシャン..でしょ」乾いた声で絞り出すかのように彼女は言った。
「昨夜あなたに初めて会い、こんな気持ちになる。不謹慎かもしれないがこれを」と何も無い右手を差し出す。左手を重ねると月光で艶やかに輝くダイヤの指輪を出した。
「ありがとう。この指に」差し出された手に指輪を入れ、彼女は男を抱き寄せた。
「あなたは人の心を操る。私は人の体を操るの」
彼女の甘い吐息。彼の耳元にあった唇は首筋に移り、彼は生温かさを感じ快楽を得た。
その他
公開:19/03/31 11:42
更新:19/03/31 22:13
更新:19/03/31 22:13
いつか絵本を1冊出せたら...
そう思いながら書いてます。
少しだけホッコリしていただければ嬉しいです。
でも、たまにブラックも書きますけど。
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