ハミングウェイ

妙なキャンディが流行り始めた。
ハミングウェイだ。歌が上手くなるらしい。食べると声帯がコーラスのようにハミングして歌がうまく聴こえるという。ハミングウェイは大ヒットした。開発した製菓会社はハミングウェイでかなり稼いでるようだ。

ある日その会社に、ヘミングウェイの末裔であるという人物がやってきた。

「このキャンディのネーミングは我がヘミングウェイ家の商標権と著作権に抵触するため使用料をいただきます」
社長はすかさずハミングウェイを差し出した。
「その前にこのキャンディを食べてからもう一度おっしゃって下さい」
パク！
「このキャンディのォ〜〜♪……んんっ、あ、あ」
「もう一口どうぞ」
パク！
「ネーミングはァ〜〜♪ヘミングウェイ家のォ〜〜♪」
「どうです歌がうまくなったでしょ」
「うんスゴくいいね！つい食べ過ぎちゃう」
「では、その件はなかったことに」
「うんそうだね。ってなるかぁっ‼︎」