06. 恋のダンベル

9
11

気になる彼と散歩していると、道の真ん中に大きなダンベルが落ちていた。危ないとの事で彼が退かそうとしたが、ダンベルはピクリとも動かない。何度も持ち上げようとしているが、持ち上がる気配はない。
「顔、真っ赤やで」
「めちゃ重いわ」
私も試しに挑戦してみた。
「んっ! ホンマや、重っ!」
「地面に根ぇ生やしとるんちゃうか?」
ダンベルを見つめ、口を尖がらせている彼がちょっと可愛い。
なんて思っていると、彼が指をパチンと鳴らした。
「これは勇者のダンベルやな。持ち上げられるのは選ばれし勇者のみ。俺、魔術師やしなー」
「ほな、魔術で持ち上げたらええやん」
そうくるか、という顔をした彼が肩を落とす。
「今ので魔力ゼロや」
「魔術使ってたん?!」
「魔王級のダンベルやで、これ」
「頼りないなぁ」
「なんやて?」私の呟きに彼の目つきが変わった。「ジョブチェンジするわ!」
「何になるん?」
「お前の彼氏!」
恋愛
公開:19/03/29 01:23
更新:19/03/29 01:25
『壬生モンキーパーク』 6曲目 そるとばたあ宿題 アルバム作り(壬生ver.)

壬生乃サル

まったり。

2022年…3本
2021年…12本
2020年…63本
2019年…219本
2018年…320本 (5/13~)

壬生乃サル(MiBU NO SARU)
Twitter(@saru_of_32)

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容