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わたし、オバケになったんだよ。
まだ子供だけどオバケになりたくてしょうがなかったんだ。
わたし、生きてるときは霊感がちっともなくってさ。
見たいけど見られなかったんだよね、オバケ。
それでもやっぱりオバケが、だいだいだいだいだ~いすきでさ。
それで、とってもなりたかったんだよ、オバケ。
でも自分で死んだんじゃないんだよ。
ちゃんと病気だったんだ。
ちゃんと病気になって死んだって言うのも変だけどさ。
でも、こうやってオバケになれて、うきうき気分なの。
それで、人間を驚かそうと思って、夜になると出て行くんだけどさ。
誰も驚いてくれないんだよね。
そうなの、毎晩毎晩、いろんなところに出たんだよね。
でも、驚いてくれないどころか、全然無視されている感じ。
それでさ、先輩のオバケに聞いてみたんだけど大ショック。
生きてるときに霊感のなかったオバケは、人間には見えないんだって。
ホラー
公開:19/03/28 21:26

家韮真実(いえにら・まみ)( 兵庫県 )

もともとは漫画を描いていました。
漫画のアイデアを文字で書いているうちにショートショートも書くようになったんですよね。
名前はもちろんペンネーム。
実際にはない名字を考えました。
読みは、男の子気分の時は『いえにら・まさみ』
女の子気分の時は『いえにら・まみ』に変わります(笑)

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