北風とチョコレート

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寒い冬の日は好きだ。家に帰ると妻が必ず熱燗とチョコを用意してくれている。
酒のつまみにチョコなんて合うのか?いやいや。こいつが意外と美味いんだ。辛めの日本酒によく合う。
「この家で一番甘いものってな~んだ?」
顔を赤くした妻が聞いてきた。
「この時間…かな。将来、子供が出来てもこんな甘い時間を大切にしていこうね」
僕の答えに妻は何も言わない。顔を見ると耳まで赤くなっていた。今日は酔いが早いのかな?いつもなら1本空けても平気なのに今日はお猪口1杯で目も回している。
妻が炬燵の中で僕の足を蹴る。不正解にしても蹴ることはないじゃないか。
「一番甘いのは貴方よ」
妻の一言に僕も顔を赤くした。どうやら僕も今日は早くに酔いが回ってしまったようだ。
酔ったついでだ。普段なら絶対に口にしないこと言ってやる!
「千代子、愛しているぞ!」
「私も貴方を愛してる!」
北風でも冷ませない熱が今夜、僕達を襲った。
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公開:19/03/28 18:44

幸運な野良猫

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元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
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