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本当の幸せって、失わなければ気づけないもののようで。

今にして思えば、どんな些細なことも幸せだったのだ。

ふいの視線の先で山百合が、純潔の乙女のように真っ白に咲き誇る。

煤に汚れきったお前とは違うのだと、汚れなきその身を自慢げに魅せる。

音にもならない嗚咽とともに、蹲るわたしを嘲笑った。
ファンタジー
公開:19/03/30 07:49

きざはしと同一人物。
140字小説を書きます。

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