07. きずぐちぐちぐ
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私には友達がいない。
ある日、私は転んで強く打ち付けた膝がパックリ割れた。溢れ出す血に「私、生きてる」と胸を締め付けられる。
その時、膝の傷口が笑い出した。気持ち悪い。私は傷口を絆創膏で隠した。
「おい、苦しいじゃないか!」
傷口が喋った。私はさらにその上から包帯を巻いた。
「いやいや、マジで息できねぇ!」
うるさい。私は傷口を無視することにした。
「もう限界だ。まったく、ひでぇことしやがる」
翌日、傷口が弱々しい声でぐちぐちと言っていた。根負けした私は包帯と絆創膏を外す。
「ぷはぁ! 生き返った!」
傷なのに生き返ったという可笑しさに、私は吹き出した。そして傷口と仲良くなった。
私に友達ができた。
数日後。傷口はすっかり薄くなっていた。
「そろそろ、お別れだ」
「そんな……」
「お前、心に傷があるだろ? その傷は消えねぇからな。俺はずっとそこに、いるぜ」
そう、私には心に友達がいる。
ある日、私は転んで強く打ち付けた膝がパックリ割れた。溢れ出す血に「私、生きてる」と胸を締め付けられる。
その時、膝の傷口が笑い出した。気持ち悪い。私は傷口を絆創膏で隠した。
「おい、苦しいじゃないか!」
傷口が喋った。私はさらにその上から包帯を巻いた。
「いやいや、マジで息できねぇ!」
うるさい。私は傷口を無視することにした。
「もう限界だ。まったく、ひでぇことしやがる」
翌日、傷口が弱々しい声でぐちぐちと言っていた。根負けした私は包帯と絆創膏を外す。
「ぷはぁ! 生き返った!」
傷なのに生き返ったという可笑しさに、私は吹き出した。そして傷口と仲良くなった。
私に友達ができた。
数日後。傷口はすっかり薄くなっていた。
「そろそろ、お別れだ」
「そんな……」
「お前、心に傷があるだろ? その傷は消えねぇからな。俺はずっとそこに、いるぜ」
そう、私には心に友達がいる。
その他
公開:19/03/30 01:23
『壬生モンキーパーク』
7曲目
そるとばたあ宿題
アルバム作り(壬生ver.)
ゆたさんリクエスト
かさぶたぶたぶ
まったり。
2022年…3本
2021年…12本
2020年…63本
2019年…219本
2018年…320本 (5/13~)
壬生乃サル(MiBU NO SARU)
Twitter(@saru_of_32)
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