鵞鳥夫人推理張(十二)

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「目出度い席に、諍いは御容赦を」
「あら、守谷の伯父様。いらっしゃい」
二色の声が割り込み、一触即発の雰囲気がすっぽ抜けた。
「惜しい、時間切れか」
「鳴有(めあり)!……と、そちらは?」
婚礼衣装の鳴有夫人(旧姓百舌)と並ぶ男の正体を、守谷教授は量りかねている。
「守谷貞一教授ですね。御列席ありがとうございます」
「正確には元教授だが、御丁寧にどうも。そして生憎、私は君を知らん」
「和十村慈四(わとむらいつし)。彼女の務める、和十村病院の院長です」
「つまり、姪の結婚相手は、この害虫ではなく?」
「害虫は酷いな教授。教え子に向かって」
襟を掴まれた。私の方が五寸程長身なので、かなり首に来る。
「洗い浚い説明しろ、写六」
「私は暗号を依頼しただけです。詳細は知りません」
「……ところで伯父様、写六先生って仰いましたけど」
「私達も、彼とは初対面ですが」

麗らかな春風が、沈黙を吹き抜けた。
ミステリー・推理
公開:19/03/27 00:00
更新:19/03/26 23:59
ワトソンとメアリー、結婚式 もう少し、続きます<(_ _)>

創樹( 富山 )

創樹(もとき)と申します。
前職は花屋。現在は葬祭系の生花事業部に勤務の傍ら、物書き(もどき)をしております。
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いつも本当に、ありがとうございます!

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