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わたしは、けっこう夢を見ているときに、これは夢だと気が付くことがある。
それが今なんだけどさ。
今夜の夢はなんだか変なんだよね。
ただ真っ暗なだけでなーんにも見えないんだ。
いつものようにへんてこりんなよくわからない不条理な夢がちっとも始まらないんだ。
真っ暗な夢の中を私はしばらく歩いて行った。
すると向こうの方に明かりが見えてきた。
近づくとなんとそれは、夢を食べるというあのバクたちが、たき火を囲んで5~6匹集まっていたんだよね。
お皿の上に何かいろんな色のキラキラ光るものが乗っていて、バクたちはそれにフォークを差してたき火で焼いて食べているんだ。
「やあ、よく来たね」
と、一匹のバクが言った。
「今夜は夢パーティーなのさ。君の夢をみんなで食べてるんだよ」
そういう事か。
こんなに大勢で食べるので、夢がなくなっちゃったんだね。
「君も食べるかい?」
わたしの夢は、とてもおいしそうだった。
ファンタジー
公開:19/03/28 17:19
更新:19/03/30 11:57

家韮真実(いえにら・まみ)( 兵庫県 )

もともとは漫画を描いていました。
漫画のアイデアを文字で書いているうちにショートショートも書くようになったんですよね。
名前はもちろんペンネーム。
実際にはない名字を考えました。
読みは、男の子気分の時は『いえにら・まさみ』
女の子気分の時は『いえにら・まみ』に変わります(笑)

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