傘もなく

0
4

ここで人目も憚らず泣き喚いてしまえば、あなたは足を止めてくれるのでしょうか。

わたしの元へ戻ってきてくれるのでしょうか。

浅葱の空に暗雲が垂れ込めて、わたしとあなたの距離を遠くする。

じきに降り出した雨に打たれるわたしに、あなたは傘のひとつも差し掛けてはくれない。

頬を雨の雫が濡らした。
恋愛
公開:19/03/28 07:38

きざはしと同一人物。
140字小説を書きます。

コメントはありません

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容