タンスでダンス

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「ダンスを見に来ていただけるかしら」
彼女からの電話だった。俺は売れない役者で彼女はセレブ、まあ言ってみれば彼女のヒモだ。今日は自宅デートになりそうだ。
ドアを開けると、彼女はタンスの上でダンスを踊っていた。
「どうぞお座りになって」
タンスが3棹あり、その上でダンスを踊っている。
「タンス・タンス・タンスよ、素敵でしょ」
ハルキストに怒られないだろうか。
「ダーリンもいらして、シャレユウダンスよ」
「シャレを言うのかい」
「素敵なシャレなら、わたくしのタンス預金からマネーの花束を差し上げてもよろしくてよ」
このタンスには札束が詰まっている。金庫がわりのようだ。
俺は彼女と踊りながらシャレを言う。
「嗚呼なんという美しいステップ、華麗でカレーのようにスパイシーでございます、姫」
「いいわね。花束差し上げるわ」
俺は札束を受け取った。いいタンスの肥やしだ。この金が俺の芸の肥やしになっている。
その他
公開:19/03/27 22:21
スクー タンス預金デート

豊丸晃生( 大阪 )

ショートショートの神様、星 新一を崇拝しています。
お笑い系のショートショートを中心に書いていきたいと思いますので、よろしくです(^^)。

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