鵞鳥夫人推理張(十三)
0
4
「遊びはそこまでよ、貴方」
真打登場。私は襟を掴む守谷教授の手を解き、さり気なく距離を取った。
「安寅(あどら)夫人!」
「愛梨さん!」
「鳴有(めあり)の偽物!」
驚愕三重奏。一応目的も果たしたし、種明かしと行くか。
「先日は失礼を、守谷教授。安寅愛梨と申します」
「もしや、鵞鳥鷲子(がちょうしゅうこ)先生?あれは『六文銭の刻印』初版の暗号の応用ですな。私も最近手に入れたが」
「夫にくどいと貶され、二版で改訂を。処女作まで御存知だなんて、光栄ですわ」
少年の様に頬を染め、瞳に星を瞬かせる教授。以前は『金剛石』と渾名される頑固で、虚構や空想の話は大嫌いだったが。
「夫とは……そこの、写六能登(しゃろくのりと)ですか?」
「ええ。現在は安寅能登。旧姓を写六と申します」
「初めまして。いつも家内と、愚弟の方難(まさか)がお世話になってます」
『…………ええ!!?』
うん。理想的な悲鳴三重唱だ。
真打登場。私は襟を掴む守谷教授の手を解き、さり気なく距離を取った。
「安寅(あどら)夫人!」
「愛梨さん!」
「鳴有(めあり)の偽物!」
驚愕三重奏。一応目的も果たしたし、種明かしと行くか。
「先日は失礼を、守谷教授。安寅愛梨と申します」
「もしや、鵞鳥鷲子(がちょうしゅうこ)先生?あれは『六文銭の刻印』初版の暗号の応用ですな。私も最近手に入れたが」
「夫にくどいと貶され、二版で改訂を。処女作まで御存知だなんて、光栄ですわ」
少年の様に頬を染め、瞳に星を瞬かせる教授。以前は『金剛石』と渾名される頑固で、虚構や空想の話は大嫌いだったが。
「夫とは……そこの、写六能登(しゃろくのりと)ですか?」
「ええ。現在は安寅能登。旧姓を写六と申します」
「初めまして。いつも家内と、愚弟の方難(まさか)がお世話になってます」
『…………ええ!!?』
うん。理想的な悲鳴三重唱だ。
ミステリー・推理
公開:19/03/27 19:00
マザーグース『きらきら星』
ホームズにはお兄さんがいます。
※原作では、アイリーンの夫の
ノートン氏とは別人です。
創樹(もとき)と申します。
葬祭系の生花事業部に勤務の傍ら、物書きもどきをしております。
小石 創樹(こいわ もとき)名にて、AmazonでKindle書籍を出版中。ご興味をお持ちの方、よろしければ覗いてやって下さい。
https://amzn.to/32W8iRO
ベリーショートショートマガジン『ベリショーズ』
Light・Vol.6~Vol.13執筆&編集
他、note/monogatary/小説家になろう など投稿サイトに出没。
【直近の受賞歴】
第一回小鳥書房文学賞入賞 2022年6月作品集出版
愛媛新聞超ショートショートコンテスト2022 特別賞
第二回ひなた短編文学賞 双葉町長賞
いつも本当にありがとうございます!
コメントはありません
ログインするとコメントを投稿できます