ひろがるピンク
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会社からの帰り。春の匂いを感じながら遊歩道を歩いているとき。
ふと道沿いに並ぶ桜の樹皮に目が留まった。表面の一部に、とろみを持った光沢があることに気付いた。
指でつついてみる。ぶよぶよしている。桜の樹液がしみ出してきたもののようだ。
道端で、それについて調べてみる。
サクラガム。それが、この樹液についている名前らしい。
へえ。そんな名前なのか、と見つめていると、うようよと動き始めた。
「うわっ」
驚いたのも束の間、みるみるうちにそれは球体に変形していって、ポロリと剥がれ落ちた。
てん、てんてん。
ゴムボールのように弾むそれを追いかけていくと、水たまりにはまった。
そのまま様子を見ていると、今度は水に溶けだす。
あっ、無くなる。そう思った瞬間。水たまりがパッとはじけ飛んであたりをピンク色に染めた。
顔を上げる。
夕焼けのオレンジの中、街のいたるところで連鎖するようにピンクが広がっていった。
ふと道沿いに並ぶ桜の樹皮に目が留まった。表面の一部に、とろみを持った光沢があることに気付いた。
指でつついてみる。ぶよぶよしている。桜の樹液がしみ出してきたもののようだ。
道端で、それについて調べてみる。
サクラガム。それが、この樹液についている名前らしい。
へえ。そんな名前なのか、と見つめていると、うようよと動き始めた。
「うわっ」
驚いたのも束の間、みるみるうちにそれは球体に変形していって、ポロリと剥がれ落ちた。
てん、てんてん。
ゴムボールのように弾むそれを追いかけていくと、水たまりにはまった。
そのまま様子を見ていると、今度は水に溶けだす。
あっ、無くなる。そう思った瞬間。水たまりがパッとはじけ飛んであたりをピンク色に染めた。
顔を上げる。
夕焼けのオレンジの中、街のいたるところで連鎖するようにピンクが広がっていった。
ファンタジー
公開:19/03/25 23:14
たくさん物語が作れるよう、精進します。
よろしくお願いします!
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