ほんとうのきもち

国語のテストで一度は見たことがあるだろう。「この時の作者の気持ちを答えなさい」という問題。
そんなもの分かるわけがない。
私は作者ではない。それなのにその気持ちを勝手にくみ取ろうとするのは失礼ではないだろうか？
それを言うと先生に怒られた。

あれから数十年。私は特殊な音楽プレイヤーを開発した。
このプレイヤーにセットするのは音楽記憶媒体ではなく本だ。
このプレイヤーに本をセットするとプレイヤーが本を朗読してくれる。凄いでしょう。
しかし、このプレイヤーにはもっと凄い機能がある。それは本の朗読後にある、いわゆる隠しトラックの存在だ。
隠しトラックでは本を書き終えた後の作者の気持ちが赤裸々に叫ばれている。
皆が想像していたものと違う本音が次々と飛び出してくる。面白いでしょう。

ねえ、先生。前に本を出したって言っていましたよね？
あの時の先生の本当の気持ち、聞いてみませんか？楽しみだなぁ！