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森の奥深くの小屋に魔女が住んでいた。
魔女の名前はマルゴ。
自分が何歳かさえ思い出せないぐらい長生きしている魔女なのだ。

魔女はホウキをどこに置いたかわからなくなった。
確か、部屋の掃除をしようとドア近くの壁に立てかけたはずだ。
掃除には大事なホウキは使わない。
魔法で部屋に風を起こし、ゴミを外へ出すのだが、ホウキが一緒に飛ばないようにと、そこへ置いたはずなのだ。
魔女はドアを開けて外を見た。
なんと、ホウキは小屋の外壁に立てかけてあったのだ。
「どうも最近、自分のやる事が自分でもよくわからんわい」
そう言うと魔女はホウキを持って入ると掃除の魔法の呪文を唱えた。
「トルノキトレキラマゴマゴマネリ。部屋のゴミよ外へいでよ!」
気が付くと魔女は小屋の外にいた。
しかしそこはよく見ると小屋の中でもあったのだ。
ドアを開けると世界が小屋の中にあった。
小屋の外側が小屋の内側になっていたのだった。
ファンタジー
公開:19/03/25 18:24

家韮真実(いえにら・まみ)( 兵庫県 )

もともとは漫画を描いていました。
漫画のアイデアを文字で書いているうちにショートショートも書くようになったんですよね。
名前はもちろんペンネーム。
実際にはない名字を考えました。
読みは、男の子気分の時は『いえにら・まさみ』
女の子気分の時は『いえにら・まみ』に変わります(笑)

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