公園のおじさん

俺は1年間の研修を終え、緑地環境課に配属、先輩と公園の巡回に来た。

田丸市 伝説公園

「この公園凄い名前ですね」
「この公園有名な公園だよ。知らない？」
「はい。まだ独身なので公園は行かないですねぇ」
先輩が足を止めた。
「これだよ。伝説公園のシンボル『おじさん』だ！このおじさんは凄いぞー、齢52歳にして大車輪をやりたいと、この公園でずっと回り続け、ある日石になったんだ」
オイオイ、凄いというかおじさんが石になる前に止めてやれよ。
「でもそんなに回ったら、石じゃなくてバターになりそうっすね」
なんて答えていいのかわからず、とりあえずボケてみる。
「おっ、良く気づいたな。16時になるとおじさんが動き始めてバターを撒き散らすんだ。それを狙っておばさんが」
すると近所のおばさんがボウルを片手にワラワラと集まってる。
田丸市は伝説の街とアピールしていた理由がやっとわかった入庁2年目の春である。