嘘から出たまこと

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「私はあの子は嘘つきで嫌だった。ちゃんと見定めてから養子を取るべきだったのよ」
「亮太は関係ない。夫婦としてやっていくには価値観が違いすぎただけだよ」
典子は呆れた顔をして、離婚届を置いて出ていった。

海辺を亮太と歩く
やはり最後まで見定めるとか、値踏みしてたな。
やっぱり典子とは無理だ。

海を見る
「だからさあ、海底神殿があるんだよ。僕は行った事がある。典子さんと離婚しても、僕は裕二さんと喧嘩になるから行かない」
「ああ、行かない。そんなのないからな。亮太に言ったことなかったけ?俺も捨てられたんだ。親に。その嘘もついた。ないの知ってる」
亮太はびっくりした顔をして、やがてうつむき、そして俺の手を取った。
俺は手を握られた事に少し驚きながら、強く握り返した。
「痛いなぁ!」
亮太はそんな事を言いながら、俺の手を振り払うことはしなかった。

夕日が俺と亮太の影を映す
親子みたいだった。
その他
公開:19/03/26 14:54
スクー お父さんと行くと揉める海底神殿

さささ ゆゆ( 東京 )

最近生業が忙しく、庭の手入れが疎かな庭師の庭でございます。

「これはいかんっ!!」と突然来ては草刈りをガツガツとし、バンバン種を撒きます。

なので庭は、愉快も怖いも不思議もごちゃごちゃ。

でもね、よく読むと同じ花だってわかりますよ。


Twitter:さささ ゆゆ@sa3_yu2





 

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