幸福なおじさん

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ある街の柱の上に、「幸福なおじさん」と呼ばれる金箔の像がある。庭で金脈を見つけたが、幸運の反動か3日後事故死した不幸なおじさん。天国では幸福であるようにと地元のライオンズ倶楽部が建立したものだ。
しかし、人々が知らないことがあった。その像には死んだおじさんの魂が宿っていた。
優しいおじさんはこの場所から見える不幸な人々に自分の金箔をあげたいと、テレパシーで生前付き合いのあった新沼さんから伝書鳩を貰い、その鳩に金箔を配るよう伝えた。
「だいぶ話が本家の王子と被ってますが大丈夫ですか?」
「鳩よ問題ない。被ってない。インスパイアインスパイアと唱えれば」
物語の途中で触れてはいけない事を触れたが、鳩は来る日も来る日も金箔を運び続けた。
「おじさん、みすぼらしいお姿に。頭頂部もズレてますよ」
「鳩よ問題ない。それは被っていた」
「えっ!」

『鳩が豆鉄砲を食ったよう』のカツラ故事でございました。
その他
公開:19/03/24 08:00
更新:19/03/24 04:20
おじさん祭り 毛祭り 夢の二大祭りコラボ

さささ ゆゆ( 神奈川 )

最近生業が忙しく、庭の手入れが疎かな庭師の庭でございます。

「これはいかんっ!!」と突然来ては草刈りをガツガツとし、バンバン種を撒きます。

なので庭は、愉快も怖いも不思議もごちゃごちゃ。

でもね、よく読むと同じ花だってわかりますよ。


Twitter:さささ ゆゆ@sa3_yu2





 

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