ミス×ロボ

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少し前に流行った『PAPER』だか『PEOPLE』だか言うロボットが、ショッピングセンター入口に待ち構えていた。
『握手して下さい。年齢をぴたり当てます!』
横から通過しようとしたが、妙にでかい声で喋られ、うっかり止まってしまった。仕方なく正面に回り、機械の手を握る。

・・・5秒経過。胸のパネルが光り、『26歳』と表示された。
『貴方は26歳ですね』
わざわざ言うな。どうせ遠隔操作だろう。裏でカメラで目視してるな。軽い皮肉のつもりで答えてやった。
「一回り違う」
・・・10秒停止。
『うえええええ~~!?』
機械のくせに奇怪な声出すな。いや多分人間だが、目を青白させて、どん引きする機械なんてシロモノを初めて見た。
『貴方、女性だったんですか!?』
そっちかよ!返す返すも失礼な機械め。Uターンしても良かったが、まぁ慣れてるのでスルーした。

本当は二回り違うけど。あえてばらす事もないよな。
SF
公開:19/03/23 01:00
※これは実話ではありません。

創樹( 富山 )

創樹(もとき)と申します。
前職は花屋。現在は葬祭系の生花事業部に勤務の傍ら、物書き(もどき)をしております。
小石 創樹(こいわ もとき)名にて、AmazonでKindle書籍を出版中。ご興味をお持ちの方、よろしければ覗いてやって下さい。
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ベリーショートショートマガジン『ベリショーズ』
Light・Vol.6~Vol.12執筆参加
他、note/monogatary/小説家になろう など投稿サイトに出没。

【直近の受賞歴】
第一回小鳥書房文学賞入賞。2022年6月アンソロジー出版
愛媛新聞超ショートショートコンテスト2022 特別賞受賞

いつも本当にありがとうございます!

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