ドリーム・キャッチャー

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近頃、夢見が悪く、よく眠れないと悩む、助手のヨーコさんに、押上博士は新開発のアプリ、“DC”を使うよう勧めた。

そこで、ヨーコさんは、研究室の椅子に座った。
イヤホン状の機器をつけ、心地よいBGMで、直に眠りに落ちてしまった。

目覚めると、博士がモニターの画像を見ている。
画面には、去っていく男の人のうしろ姿。それは、彼女の彼氏だった。

驚く彼女に、博士は言った。
「君は、彼氏とうまくいってるかね?」
「忙しくて、あまり連絡していないです」
「では、この夢を回避するよう、努めなさい」

博士は続ける。
「アプリ名の“DC”は、ドリーム・キャッチャーの略だよ。君の脳波から怖れの波長を察知し、映像にする。悪い予感は、気づけば回避できる。つまり“悪夢を逃がしてくれる”アプリだ」

彼女は笑顔になった。
「有難うございます。夢見が悪い原因はそれですね。彼にもっと優しくするようにします」
SF
公開:19/03/23 20:47
更新:19/03/23 20:56
ネイティブ・アメリカンの 悪夢を逃がすお守り カレンダー刑事は、鋭意製作中

tamaonion( 千葉 )

雑貨関連の仕事をしています。こだわりの生活雑貨、インテリア小物やおもしろステーショナリー、和めるガラクタなどが好きです。

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