半分の魂

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彼は私の半分になった魂をギュと抱きしめ受け入れてくれた。
「あたたかい」二人ともそう呟いた。
彼の中は戦場でズダズダにされた、わたしの魂を優しく包み込んでくれる。彼は決して嫌な言葉を吐かない。わたしの半分の魂は冷たく重い鉄の塊。痺れるように切り裂かれるように彼の体中は苦痛に耐えている。
20分くらいすると私の魂は彼のモノへとなっていく。
「このまま、このままこの愛の温もりの中で朝まで過ごしたい」
わたしはいつも感じる。でも、そんな衝動は押さえ込まなければならない。彼の体が壊れてしまう。
わたしの魂が鉄の塊からテニスボールくらいに柔らかくなった頃、わたしの体へと戻っていく。
わたしの体に残されたもう半分の魂と一体化し、彼の優しさに甘えながら眠りにつく。
その他
公開:19/03/24 22:04
更新:19/03/24 22:22

まりたま

いつか絵本を1冊出せたら...
そう思いながら書いてます。
少しだけホッコリしていただければ嬉しいです。
でも、たまにブラックも書きますけど。

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