白い国旗

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その昔、潔癖症の国旗がいた。
色は白一色で、他の色が混ざるのをよく思わなかった。
「何色も色が混ざり合うなんて、考えられない。どうしてみんな大丈夫なんだろう」
彼は常々、そんなことを言っていた。

ある日事件は起こった。
いつもと同じように、風に身を任せてはためいていると
べちゃり。と何かが上から降てきた。
鳥のフンだった。
彼からしてみれば、ほんの微かな汚れでも、他の色がついてしまうことは苦痛でしかない。

何とかして払おうとする。
ばたばたばた。
もう一度。
ばたばたばた。

なんどやっても、落ちない。

周りの、他の国旗たちが助けようとしたが、彼はそれすらも断ってしまった。意地でも助けは求めない。彼の中でそれはもはや戦いだった。
それから数か月。どうにもできないまま、時間だけが過ぎた。

何とか粘ってきたが、もはや限界だった。
「もう無理だ!」
潔癖症の国旗はついに白旗を上げた。
ファンタジー
公開:19/03/22 17:50
潔癖症の国旗 スク―

たけなが


たくさん物語が作れるよう、精進します。
よろしくお願いします!

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