うまいもち

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上司と昼食を食べている時。彼は突然話し始めた。

ほっぺたが落ちるほどにおいしいお餅です。
そんな風に言われたら、試してみたくなるじゃないか。
それで、食べてみた。あれほどおいしいとは。とても驚いたよ。
しばらく食べていると、店員が急に駆け寄ってきて、僕の両隣に座りだすんだ。手にはなぜか、水を半分くらいまで張ったボウルを持っている。
「おいしいですか?」左側の店員が聞いてくる。
「ええ、本当に、ほっぺたが落ちそうなほど、おいしいです」
そう言った瞬間。
ぽちゃり。
何かがボウルの水に落ちた。見るとどうやら、僕の頬が落ちたらしい。
店員が言うには、その店で販売している餅はすべて、そうやって客から貰った頬を使っているらしい。
ははは。複雑な顔をしているな。まあ、分かるよ。

……ところでどうだい? この店の餅は。ほっぺたが落ちそうになるほどにうまいだろう。


え?
餅を口に運ぶ手が止まった。
その他
公開:19/03/22 15:52

たけなが


たくさん物語が作れるよう、精進します。
よろしくお願いします!

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