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俺、三十四歳。微妙なお年頃。
いつからだろう、焼酎をロックで飲めなくなったのは。厚揚げなんか注文するようになったのは、いつからだ。
“ふふ、諦めな。これからさ楽しいのは”
“そうそう、四十代なんかなぁ。くっく”
居酒屋のカウンターで一人飲みしていると、隣のおじさん妖精二人組に絡まれた。
“漏れるからな”
はっはっは、と二人で大笑いしている。
「漏れるって、何がですか?」聞いてみた。
“何がって、なぁ”
“言われても、なぁ。あ、大将。カレーグラタンひとつ”
やはりそっちの……! 恐るべし四十路。それに比べたら俺はまだ若いか。擦り傷が半年治らなかったり、鼻毛に白髪が交じったりするけど、俺はまだおじさんじゃない。お兄さんだ!
俺はちょっと嬉しくなって肉じゃがをもりもり頬張って、焼酎のお湯割りで流し込んだ。ぷりっ。ちょっと漏れた。
おじさんの妖精たちが、笑顔でテーブル席に移っていく。
いつからだろう、焼酎をロックで飲めなくなったのは。厚揚げなんか注文するようになったのは、いつからだ。
“ふふ、諦めな。これからさ楽しいのは”
“そうそう、四十代なんかなぁ。くっく”
居酒屋のカウンターで一人飲みしていると、隣のおじさん妖精二人組に絡まれた。
“漏れるからな”
はっはっは、と二人で大笑いしている。
「漏れるって、何がですか?」聞いてみた。
“何がって、なぁ”
“言われても、なぁ。あ、大将。カレーグラタンひとつ”
やはりそっちの……! 恐るべし四十路。それに比べたら俺はまだ若いか。擦り傷が半年治らなかったり、鼻毛に白髪が交じったりするけど、俺はまだおじさんじゃない。お兄さんだ!
俺はちょっと嬉しくなって肉じゃがをもりもり頬張って、焼酎のお湯割りで流し込んだ。ぷりっ。ちょっと漏れた。
おじさんの妖精たちが、笑顔でテーブル席に移っていく。
ファンタジー
公開:19/03/22 14:20
おじさん祭り
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