テントウムシノサンバ
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                                時は明治23年。ここは、千葉県東葛飾郡野田町。言わずと知れた、醤油の郷。
醤油樽職人の渡邉隆太は、職場に向かう途中、醤油樽の材料である杉の原木を担いだまま、昨夜から降り続く雨でできたぬかるみで、足を滑らせ転んでしまった。
【隆】「いててて、参ったな、こりゃ。足をくじいたみてえで、立てねえや」
そこへ、ピシャピシャ音を立て、足早で過ぎ去ろうとする女が。
【隆】「すまねえが、手を貸しておくんな。足が痛くて立てねえんだ」
【女】「悪いな、先を急いでおる。今日は記念日なんじゃ」
【隆】「困ってる人を見捨ててまでの、大事な用なのか?」
【女】「ああ、今日で百人目なんじゃ」
【隆】「あんた、仕事は?」
【女】「産婆じゃ」
【転倒無視の産婆】
    醤油樽職人の渡邉隆太は、職場に向かう途中、醤油樽の材料である杉の原木を担いだまま、昨夜から降り続く雨でできたぬかるみで、足を滑らせ転んでしまった。
【隆】「いててて、参ったな、こりゃ。足をくじいたみてえで、立てねえや」
そこへ、ピシャピシャ音を立て、足早で過ぎ去ろうとする女が。
【隆】「すまねえが、手を貸しておくんな。足が痛くて立てねえんだ」
【女】「悪いな、先を急いでおる。今日は記念日なんじゃ」
【隆】「困ってる人を見捨ててまでの、大事な用なのか?」
【女】「ああ、今日で百人目なんじゃ」
【隆】「あんた、仕事は?」
【女】「産婆じゃ」
【転倒無視の産婆】
        その他
      
      公開:19/03/23 03:01
更新:19/03/24 08:00
    更新:19/03/24 08:00
                  すみれさんへのお返し 
                  渡邉隆太は醤油樽職人 
                  本当にあった職業です 
              
    千葉県野田市在住の、渡辺隆一です。
小学4年生の頃から、文章を書くのが
好きで、今も、趣味で書いています。
ショートショートが、好きです。
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渡辺 隆一